低用量ピル(OC)とは?種類一覧と服用時の注意点・よくある質問【Q&A】を解説!
2024.08.30
「排卵日にコンドームありで性行為をしたけれど妊娠する可能性ってあるのかな?」とお悩みの方はいませんか?本記事では、排卵日のコンドームを装着しての性行為での妊娠可能性、妊娠確率と避妊に失敗する5つの原因を徹底解説していきます。
目次
ピルの基礎知識
ピルは、私たち女性の卵巣で作られる卵胞ホルモン「エストロゲン」と黄体ホルモン「プロゲステロン」の2つの女性ホルモンを組み合わせた経口避妊薬です。
ピルの仕組み
ピルは、上記で解説した通り、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが配合されています。
このピルを服用することでホルモンバランスを調整すると、脳は「妊娠した」「体内にホルモンがあるので、卵巣へ指示を送らなくてもよい」と勘違いし、卵巣への排卵指示をストップします。
このように排卵を抑制することで、子宮内膜に受精卵が着床しにくい状態にするのです。
それと同時に膣内の粘液の状態を変化させて精子を子宮内に侵入しにくくさせることで、避妊効果が期待できるようになります。
ピルの種類
ピルには5つの種類があります。
ピル | 用途 | エストロゲン含有量 | 黄体ホルモン配合 |
中用量ピル |
| 50ナノグラム | 有 |
低用量ピル |
| 50ナノグラム以下 | 有 |
超低用量ピル |
| 30ナノグラム以下 | 有 |
ミニピル |
| 0 | 有 |
アフターピル |
| 種類により異なる | 有 |
ピルは、避妊以外にも月経症状や子宮内膜症の改善、生理日のコントロールや肌荒れ改善など服用する種類によってそれぞれ女性の悩みに対応しています。
ピルの服用周期やシート数、粒数には違いがある
ピルには5つの種類があるように、服用期間やシート数、粒数などにも違いがあります。
- 1シート21錠タイプ:1カ月のうち、21日間実薬を服用し、7日間の休薬期間
- 1シート28錠タイプ:1カ月のうち、21日間実薬を服用し、残り7日間は偽薬を服用
- フレックスタイプ:1シート28錠で最大120日間服用可能。その後は4日間休薬期間
- 連続服用タイプ:28錠タイプが2シート、21錠タイプを1シートで計77日連続して服用
3シート服用後は自分で7日間休薬期間を作る
このようにタイプによって実薬の服用期間や休薬期間が違うため、自分のライフスタイルに合ったピルを選ぶことで、飲み忘れやそれによる妊娠リスクなどを防ぐことができるでしょう。
ピルでよく聞く〇相性について
ピルは、1シート(21錠)に配合されているホルモンの量によって「1相性」「2相性」「3相性」に分類されています。
1相性……すべての錠剤に配合されているホルモン量が一定
2相性……錠剤に配合されているホルモン量が2段階で変化する
3相性……生理周期に合わせてホルモン量が調整されている
また、生理周期の変動に合わせて配合量が異なるピルを服用する2相性や3相性のことを「段階型ピル」と呼ぶこともあります。
低用量ピル「OC」とは
次は、低用量ピル「OC(Oral Contraceptives)」について徹底解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
低用量ピルに配合される4つの黄体ホルモンと特徴
低用量ピルには、卵胞ホルモンのエストロゲンと4つの黄体ホルモンが配合されています。
黄体ホルモン①:ノルエチステロン(第一世代)
第一世代のピルは、一番始めに製造承認されたピルで、ノルエチステロンと呼ばれる黄体ホルモンを配合しています。第一世代のピルは出血量が減少しやすく、月経困難症のコントロールや生理痛の緩和に適しており、その他にも肌荒れ改善効果も期待できます。
しかし、他の世代の低用量ピルと比較すると副作用として性器からの不正出血が報告されている点がデメリットと言えるでしょう。
黄体ホルモン②レボノルゲストレル(第二世代)
第二世代のレボノルゲストレルは、日本初のアフターピル「ノルレボ」の成分名です。レボノルゲストレルは排卵や受精後でも避妊効果が期待できる点が魅力で、不正出血が起こりにくく改良されています。
また第二世代の低用量ピルはすべて3相性であることが特徴で、第一世代よりもホルモン量を減量させ、副作用が現れにくくなっています。
黄体ホルモン③:デソゲストレル(第三世代)
第三世代のデソゲストレルは、黄体ホルモンや子宮内膜が活性化するため、不正出血を起こしにくい経口避妊薬です。
このデソゲストレルはアンドロゲンと呼ばれる男性ホルモン作用の抑制効果が期待できるため、ニキビ治療や多毛症の改善として使用されます。
加えて、第二世代の低用量ピルと比較するとエストロゲンの配合量が低減されているため、胸の張りや頭痛などの副作用が起こりにくいとされています。
黄体ホルモン④:ドロスピノレン(第四世代)
第四世代のドロスピノレンが配合されたピルは、エストロゲンの配合量が少ないため、超低用量ピルと呼ばれるピルです。そのため、避妊効果は期待できませんが、月経困難症や子宮内膜症などに効果が期待できます。
また、第四世代以前の低用量ピルは、男性ホルモンがベースとして製造されていましたが、第四世代では利尿ホルモンが主要ホルモンとして配合されているため、むくみ改善効果も期待できます。
低用量ピルで期待できる効果
低用量ピルで期待できる効果は以下の通りです。
- PMS(月経前症候群)
- 避妊
- ニキビ
- 月経痛
- 月経不順
- 月経過多
- 子宮内膜症の改善
- PMDD(月経前不快気分障害)の改善
- 生理予定日移動
- むくみ改善
低用量ピルは、日常的に避妊したい方や月経に関する症状でお困りの方の服用が多く、その他にも肌荒れや子宮・卵巣に関する罹患リスクの低下、むくみ改善など幅広い効果が期待できます。
低用量ピルで起こり得る副作用
低用量ピルの服用し始めの数日間は「吐き気」「頭痛」「むくみ」「乳房の痛み」などの副作用が起こりやすいです。また体が慣れるまでの一時的な症状として少量の不正出血も挙げられますが、ピルに体が慣れてくれば、自然と症状は治まっていきます。
低用量ピルでの避妊成功率
正しく服用した場合の低用量ピルによる避妊成功率は、約99.7%です。正しい服用とは、飲み忘れることなく服用した場合であるため、飲み忘れた場合や服用して3時間以内に嘔吐したという場合には、避妊に失敗する可能性があります。
飲み忘れを防ぐためにアラームを設定したり、服用から3時間以内に嘔吐した場合は、処方を受けた病院へ相談してください。
低用量ピルとLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)
低用量ピル以外に、ピルとしてよく聞くものがLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)です。基本的に、低用量と同様の成分が配合されていますが、LEPは月経困難症や子宮内膜症の治療薬として低用量ピルと区別されています。
低用量ピルの種類一覧
低用量ピル(OC)の種類
- トリキュラー28
- マーベロン21・28
- ラベルフィーユ21・28
- ファボワール21・28
- アンジュ21・28
この他にも、LEPの「ULDルナベル/LDルナベル」「フリウェルULD/フリウェルLD」や「ヤーズ」「ヤーズフレックス」「ジェミーナ」なども低用量ピルとして処方されることがあります。
低用量ピル服用時の注意点
次は、低用量ピル服用時の注意点を徹底解説していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ごく稀に血栓症を発症する可能性がある
低用量ピルは、ごく稀に重篤な副作用として「血栓症」を発症する恐れがあります。血栓症は、血管内で血液が固まって塊となったものが血管を詰まらせる病気のことで、最悪臓器の壊死を起こす可能性があります。
以下のような症状を感じたらただちに使用を中止して、処方を受けた病院へ相談してください。
- 片側の下肢のみにむくみがある
- 突然の息切れ
- 四肢の脱力
- 激しい頭痛
- 胸痛
- 急性視力障害など
飲み忘れは妊娠リスクを高める
低用量ピルを12時間程度飲み忘れた場合は誤差の範囲内と言えますが、1日~3日以上飲み忘れが続いた場合は妊娠リスクを高める恐れがあります。
1日経過して飲み忘れに気づいた場合は、気づいた時点で飲み忘れた分を服用し、その日のいつもの服用時間に再度1錠服用してください。
そして、2日以上経過して飲み忘れに気づいた場合は、一旦ピルの服用を中止し、次の生理が始まったタイミングで服用を再開する必要があるため、処方を受けた病院へ相談しましょう。
飲み合わせが悪い薬(成分)との併用はNG
低用量ピルは、抗てんかん薬やHIV感染症治療薬と併用すると、低用量ピルの分解を早めたり、体内への吸収を抑制したりする可能性があるため、NGです。
その他にも飲み合わせが悪い薬や成分があるので、現在何らかの薬を服用している方は受診の際に予め伝えておきましょう。
低用量ピルの種類に関するよくある質問【Q&A】
次は、低用量ピルの種類に関するよくある質問【Q&A】に回答していきます。
低用量ピルで太るって本当?
卵胞ホルモンのエストロゲンには「保水作用」があり、黄体ホルモンのプロゲステロンには「食欲増進作用」があるため、一時的に体がむくみやすくなったり、食欲が増進することにより2~3kg太ってしまったという方もいます。
しかし、低用量ピルを服用したからと言って必ずしも太るわけではなく、個人差があると言えるでしょう。
避妊目的の場合、どの低用量ピルがよいですか?
避妊目的の場合、トリキュラーやマーベロン、ラベルフィーユがおすすめです。
低用量ピルはどの種類でも保険は適用されますか?
低用量ピルは、病気の治療目的での処方ならば、どの低用量ピルでも保険が適用されます。
ただし、避妊目的での場合は保険適用対象にはならないため、自費診療です。
当院の3つの特徴
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当院はご予約から治療までの間、カウンセリングや診察を通じてお客様の悩みに寄り添います。事前準備やアフターケアを徹底的に行うため、お客様に安心していただけるサービスを心がけております。
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