ニキビ跡は一度できるとなかなか治らず、人に会うのも億劫になってしまいますよね。
色素沈着やクレーターなどのニキビ跡は自力で治すことが難しく、皮膚科や美容皮膚科での治療がおすすめです。
この記事では、ニキビ・ニキビ跡の種類別のおすすめの治療法や、ニキビ跡のケアの方法を解説します。
ニキビは悪化すると一生消えないニキビ跡になる可能性があるため、日頃からスキンケアに気を配り、できてしまった場合は皮膚科で早めに治療しましょう。
目次
主なニキビの種類
ニキビには以下のような種類があり、できる原因や治療方法が異なります。
- 白ニキビ
- 黒ニキビ
- 赤ニキビ
- 黄ニキビ
皮膚は表皮・真皮・皮下組織の層になっており、表皮部分では新陳代謝(ターンオーバー)を繰り返し、常に新しい皮膚に生まれ変わっています。
ニキビができる原因はホルモンの乱れや刺激、新陳代謝の遅れなどがあり、人によってできやすいニキビの種類が異なるため、ニキビの種類や原因を把握して対策を立てましょう。
白ニキビ
ニキビの中で最も初期段階である白ニキビは、ターンオーバーの乱れや皮脂の過剰分泌が原因です。
お肌のターンオーバーが乱れると古い角質層が皮膚の表面に残り、毛穴を塞いでしまいます。
毛穴が塞がれた状態でも皮脂は分泌され続けるため、毛穴の中に皮脂が溜まり白ニキビとなります。
化粧を落とさずに寝てしまったり、洗顔が不十分だったりする場合も、汚れが毛穴を塞いでしまうため注意しましょう。
さらに、ストレスや乾燥によって皮脂が過剰に分泌されることも、白ニキビの原因の一つです。
皮脂は過剰に分泌されるとスムーズに毛穴から排出されず、毛穴の中に溜まってしまいます。
白ニキビは炎症も起きていない初期段階のため、毛穴に詰まった皮脂を適切に取り除けば重症化を防げます。
ケミカルピーリングで古い角質を取り除いたり、アクネプッシャーという器具で毛穴に詰まった皮脂を押し出したりする治療法が一般的です。
正しいスキンケアでターンオーバーを整え、毛穴の皮脂詰まりを防ぎましょう。
赤ニキビ
ニキビが悪化するとアクネ菌が繁殖し、炎症を起こして赤く腫れてしまい赤ニキビになります。
赤ニキビは見た目にも目立ち、痛みや熱感を感じる方もおり、治りにくいのが特徴です。
毛穴にはアクネ菌という常在菌がおり、お肌を弱酸性に保ち雑菌の繁殖を抑えています。
しかし、毛穴に皮脂が詰まるとアクネ菌が増殖し、毛穴が炎症を起こし赤ニキビとなります。
赤ニキビの場合は炎症を起こしているため、過剰に刺激することは避けましょう。
治療法はピーリングによって古い角質の除去や、ダーマペンによる自然治癒力を高める治療法などがおすすめです。
その他には、炎症を抑えるために抗菌・抗炎症作用のある内服薬、外用薬を用いて治療します。
黒ニキビ
黒ニキビはおでこや小鼻などの顔のTゾーンと呼ばれる部分にできやすく、場合によってはザラつきがあります。
Tゾーンの毛穴に詰まった皮脂や角栓が空気に触れると、酸化されて黒く見えるため毛穴の黒ずみと勘違いしている方も少なくありません。
黒ニキビができる原因はクレンジングや洗顔で落としきれなかった汚れや、皮脂が毛穴に詰まるからです。
ターンオーバーの低下や乾燥も毛穴を固くして角栓が詰まりやすくなるため、スキンケアでしっかりと保湿しましょう。
黒ニキビができると自分で角栓を押し出してしまう人も多いですが、悪化する原因となるため注意が必要です。
無理やり角栓を押し出すと角栓が取れて綺麗になったように感じますが、毛穴が開いてしまいさらに角栓が溜まりやすくなります。
黒ニキビの治療法はケミカルピーリングで古い角質を除去したり、角質ケア用の外用薬の使用などあります。
黒ニキビは毛穴の黒ずみと混同している方も多いですが、炎症のない初期段階のニキビです。
そのまま放置したり間違ったケアを続けたりしていると、赤ニキビや黄ニキビへ悪化する可能性があるため、早めに適切なケアをしましょう。
黄ニキビ
黄ニキビはニキビの最終形態ともいわれ、アクネ菌以外に黄色ブドウ球菌も増殖しており膿が発生し黄色く見えるのが特徴です。
ニキビの炎症が真皮まで届き、周囲の組織を破壊するため痛みや熱感を伴います。
黄ニキビまで悪化する原因は皮脂の過剰分泌やホルモンバランスの乱れ、ストレスや生活習慣の乱れなどがあります。
皮下組織は修復に時間がかかるため、ニキビ跡になる可能性も高く皮膚科の受診がおすすめです。
治療法は抗菌作用のある内服薬と、毛穴詰まりを改善する外用薬を併用します。
ニキビが進行した後の状態について
毛穴の皮脂詰まりによってできるニキビは、炎症のない初期の白ニキビからだんだんと進行し黄ニキビになります。
進行したニキビは色素沈着やクレーターなどの原因となり、一生残る可能性もあります。
ここでは色素沈着とクレーターについて、原因や治療法などを紹介します。
色素沈着
色素沈着の原因はニキビの炎症によって、メラニンが大量に生成され肌の表面に残ってしまうからです。
肌は炎症を伴うニキビができるとシミの元となるメラニンを生成し、周囲の細胞へのダメージを軽減させようとします。
通常、生成されたメラニンはターンオーバーによって分解・排出され、半年~数年かけて徐々に薄くなっていきます。
しかし、ニキビの炎症がひどい場合は肌の奥深くまでメラニンが生成され、ターンオーバーを繰り返しても色みが消えず残ってしまう場合があります。
色素沈着は紫外線や摩擦など肌への刺激などによって濃くなる場合はあるため、肌に刺激を与えないように気を付けましょう。
治療法としてはターンオーバーを整えるためにピーリングやイオン導入、レーザー治療などがおすすめです。
クレーター
クレーターはニキビの炎症によって真皮層や皮下組織が破壊されることで発生し、自然治癒は難しくクリニックでの治療が必要です。
ニキビの炎症が悪化すると真皮層や皮下組織まで傷が付き、炎症がおさまった後に修復しきれず凹みが発生しクレーターとなります。
クレーターは凹みの形状によって、ローリング型・ボックス型・アイスピック型に分類されます。
治療方法は細胞を再生させるレーザーやダーマペンによる治療がおすすめです。
皮膚科や美容皮膚科でのニキビ跡の治療について
ニキビ跡は自然治癒が難しいため、皮膚科や美容皮膚科での治療がおすすめです。
ニキビは「尋常性ざ創」と呼ばれる皮膚疾患のひとつで、保険適用が可能です。
しかし、色素沈着やクレーターなどのニキビ跡の治療は美容目的とされ、保険適用外になります。
皮膚科によっては自由診療に対応していない場合もあるため、自由診療に対応している皮膚科や美容皮膚科を受診しましょう。
ここでは、皮膚科や美容皮膚科で受けられる、ニキビ跡の治療方法について解説します。
レーザーでの治療
レーザーでの治療はニキビ跡にレーザー光を当てて細胞を再生・活性化させ、ニキビ跡の改善を目指します。
照射した部分は痛み・赤みなどが現れ、かさぶたになりますが7日~14日ほどでおさまるのが特徴です。
ニキビ跡に使用するレーザーにはいくつか種類があり、照射するレーザーによって期待できる効果は異なります。
- メラニン色素を持つ細胞だけに反応するレーザー
- 赤いニキビ跡に特化したレーザー
- 真皮のコラーゲンを再生させるレーザー
エステサロンでもレーザーによるニキビ跡治療はおこなっていますが、出力の強さやレーザー光に違いがあります。
レーザー光によって細胞にダメージを与える行為は「医療行為」に該当し、皮膚科や美容皮膚科でしか照射することができません。
皮膚科や美容皮膚科で照射できるレーザーは出力が強く、メラニンの色だけに反応するレーザーなどほかの肌細胞を刺激せずに治療をおこなえます。
レーザーでのニキビ跡の治療は皮膚科や美容皮膚科を受診し、症状に合ったレーザーを照射してもらいましょう。
クリニックによって導入しているレーザーの機種が異なるため、照射して欲しいレーザーが導入されているか確認してみてください。
ケミカルピーリングでの治療
ケミカルピーリングは古い角質を除去し、肌のターンオーバーを活性化させるためニキビ跡に効果的な治療法です。
酸性の薬剤を顔全体に塗り、古い角質を取り除いてターンオーバーを整えます。
さらに、薬剤による炎症反応によって、新しい皮膚の再生を活性化させる効果が期待できます。
治療後に肌の赤み・かゆみ・ピリピリ感が生じることがあり、肌の弱い方は薄皮が剥ける場合があるため注意が必要です。
施術後、1週間~2週間程度は紫外線が当たらないよう、直射日光を避け日焼け止めを塗るなど対策を行いましょう。
イオン導入での治療
イオン導入は専用の機器を用いて皮膚に微弱な電流を流し、美容成分を肌の奥まで浸透させる治療法です。
通常、ビタミンCやプラセンタ・トラネキサム酸などは浸透性が低く、塗布しても肌の深部まで届きません。
イオン導入は微弱電流によって美容成分をイオン化させるため、化粧水を塗るだけのケアに比べ30~100倍の浸透力を発揮します。
ビタミンCやトラネキサム酸は傷ついた肌の修復やコラーゲンの生成・メラニン抑制などが期待できるため、ニキビ跡が気になる際はイオン導入を試してみてください。
ダーマペンでの治療
ダーマペンは髪の毛よりも細い針で肌に穴を開け、自然治癒力を高める治療法で、クレーターなどのニキビ跡の治療におすすめです。
肌は傷ができると修復機能が働き、肌内部でコラーゲンやエラスチンが生成されるため、毛穴の開きやニキビ跡の改善が期待できます。
ダーマペンの針の長さは0.2mmから3.0mmまで0.1mm単位で調整でき、治療したい部分や皮膚の厚さによって調整します。
効果の実感には個人差があり、大体1週間から2週間程度で効果を実感する方が多いのが特徴です。
クレーターが大きく深い場合は一度の治療では治りきらないため、複数回の治療が必要になる可能性もあります。
複数回治療する場合は3週間~4週間の間隔で治療を続けましょう。
ニキビ跡のケアで日頃から気をつけること
ニキビ跡は皮膚科や美容皮膚科での治療以外に、日頃からのスキンケアや正しい生活習慣が重要です。
日々のお手入れ方法を紹介するため、参考にしてみてください。
肌に余計な摩擦や刺激を与えないようにする
ニキビができると気になってしまい、ついつい触ったり潰したくなったりしますが、できるだけ摩擦や刺激を与えないようにしましょう。
摩擦や刺激は肌にダメージを与えるため炎症が悪化したり、雑菌が入り込んだりしてニキビの進行を早めてしまう可能性があります。
皮膚科や美容皮膚科では「面皰圧出」といって、ニキビの角栓や膿を出す治療法がありますが、自分ではおこなうことは避けましょう。
皮膚科や美容皮膚科などのクリニックでは、滅菌された器具を使用して極小の穴から角栓や膿を取り出します。
自分でニキビをつぶす場合、クリニックよりも何倍もある大きな穴を開けてしまい、毛穴が広がって雑菌が入りやすくなり炎症の悪化の原因となります。
ピーリングなどのセルフケアも刺激が強く、ニキビを悪化させる可能性があるため、一時的に控えることも必要です。
その他にも強すぎるクレンジングや洗顔、マスクでの擦れなどに注意し、なるべく肌に刺激を与えないように注意しましょう。
生活習慣を見直す
スキンケアに気を遣っていても繰り返しニキビができる場合は、生活習慣を見直してみましょう。
生活リズムの乱れや睡眠不足・ストレスはニキビができやすくなる原因といわれています。
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、血行が良くなるため肌の新陳代謝を高めるための大切な時間です。
生活習慣の乱れや忙しさから睡眠不足が続くと肌のターンオーバーが乱れ、古い角質が剥がれ落ちずニキビの原因となります。
また、定期的な運動も血の巡りを良くし、ストレスの軽減につながるため重要です。
ニキビが繰り返しできる場合は生活習慣を見直し、十分な睡眠と適度な運動を取り入れましょう。
バランスの良い食事を取る
バランスの良い食事で体の内側からニキビ跡のケアをおこなうこともおすすめです。
揚げ物や糖質の多い食品は皮脂の分泌を増加させるため、毛穴に皮脂が詰まりやすくなりニキビを悪化させる可能性があるため避けましょう。
ビタミンやミネラルを多く含む食品や、腸内環境を整える発酵食品などをバランスよく取り入れると肌の健康状態を促進させニキビの改善に役立ちます。
- 野菜
- 果物
- ナッツ類
- 発酵食品
- 青魚
- 揚げ物
- 糖質の多いもの
- 炭水化物
食事は一汁三菜を心掛け、栄養素の偏りがないよう、バランスよく摂取しましょう。
バランスの取れた食事は体の免疫力を高め、肌のターンオーバーを整えてくれます。
栄養バランスの取れた食事が摂れない・偏った食生活が続いた場合は、サプリメントを活用して足りない栄養素を補給しましょう。
美白アイテムをうまく使う
美白成分が配合されたアイテムを使用すると、ニキビ跡だけでなく肌のターンオーバーが整えられるためおすすめです。
セルフケアに使用する美白アイテムは、含有されている成分に着目して適切なアイテムを選択しましょう。
美白成分には以下のようなものがあり、化粧品を使用する際はこれらの成分が入っているか確認してみてください。
美白成分 | 期待できる効果 |
---|---|
ビタミンC誘導体 | ・メラニンの生成を抑制する ・活性酸素を除去しニキビの悪化を防ぐ ・コラーゲンやエラスチンの生成 |
ハイドロキノン | ・メラニンの生成を阻害する |
アルブチン | ・メラニンの生成を抑制する ・抗酸化作用や抗炎症作用がある |
レチノール | ・肌のターンオーバーを促進する |
高濃度のハイドロキノンやレチノールは刺激が強いため、お肌の弱い人は肌の状態をみながら使用するのがおすすめです。
ニキビ跡が気になる場合は皮膚科や美容皮膚科で治療をしながら、セルフケアで美白アイテムを取り入れましょう。
ニキビ跡は皮膚科できれいに治療できるのか?まとめ
この記事の結論をまとめるとニキビ跡は自己治癒が難しいため、皮膚科での治療がおすすめです。
- ニキビの原因はターンオーバーの乱れや皮脂の過剰分泌により毛穴に皮脂が詰まるなどがある
- ニキビには白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビなどの種類がある
- ニキビの炎症が悪化すると色素沈着やクレーターなどのニキビ跡になる
- ニキビ跡は自己治癒が難しく皮膚科での治療がおすすめ
- ニキビ跡の治療はレーザーやダーマペン・イオン導入・ケミカルピーリングなどがある
- ニキビ跡は余計な摩擦や刺激を与えず、生活習慣や食生活を見直すことも重要
- 美白アイテムはビタミンC誘導体やハイドロキノン・アルブチン・レチノールなどの成分が含有されているものを選ぶ
ニキビ跡は皮膚科で治療を受けてもすぐに改善されるものではなく、美白アイテムの使用や生活習慣の改善なども並行して行うことが重要です。
今回の記事を参考に、ニキビができてしまったら早めに皮膚科で治療を受け、跡が残らないように対策を立てましょう。