ニキビができるだけでもショックですが、ニキビ跡(痕)が残ろうものならずっと悩み続けることになってしまいますよね。
ニキビ跡の治療としてよく聞くピーリングについて、
「ピーリングとはそもそも何なのか」
「ピーリングはニキビ跡に効果があるのか」
「ニキビ跡におすすめのピーリングが知りたい」
と疑問をお持ちの方も少なくないと思います。
ひと括りにピーリングと言っても、どこで行うのか、また何を用いるのか、によって効果は全く異なります。
本記事では、ピーリングの効果とニキビ跡におすすめのピーリングについて解説していきます。
ピーリングの頻度や回数、敏感肌の方でもピーリングを行うことはできるのか、についても調査しましたので、ニキビ跡にお悩みの方はぜひご参考にしてみてください。
目次
ピーリングでニキビ跡は治るのか
ピーリングでニキビ跡を治すことができるのでしょうか?
クリニックで行うピーリングと自宅で行うピーリングについて、それぞれのニキビ跡への効果をまとめてみました。
- クリニックで行うケミカルピーリングであれば、軽度のニキビ跡ならば治すことができる
- 自宅で使えるピーリング剤では、効果は感じにくい
自宅で使えるピーリング剤は、成分が比較的マイルドであるためニキビ跡への効果も感じにくいです。
一方でクリニックで行うケミカルピーリングとは、化学物質である酸を皮膚に塗って、皮膚表面の古い角質を薄く剥がす医療行為のことをいいます。
この治療により、ターンオーバーを正常化することができます。
新しい皮膚ができてから古い皮膚が剥がれ落ちるまでのサイクルのこと。
皮膚は外側から順に表皮、真皮、皮下組織に分けられますが、ターンオーバーは一番外側の表皮で起こっています。
表皮の最下層で細胞が作られると、古い細胞はどんどん上へと押しだされ、最後は死んだ細胞として肌から剥がれ落ちていきます。このサイクルは平均26~28日周期と言われていますが、加齢や外的要因によりターンオーバーの速度は低下します。
ターンオーバーが乱れていると、新しい皮膚ができて古い皮膚が剥がれ落ちるまでの一連の流れがうまくいかなくなります。
そこで、ターンオーバーを正常化し、古い角質とともに色素沈着やニキビ跡が剥がれ落ちることで、それらを薄くすることができます。
特にケミカルピーリングで治すことができると言われているのは軽度なニキビ跡です。
ニキビ跡は大きく分けて3種類
ニキビ跡のタイプ | 特徴 | 分類 |
赤みタイプ | 皮膚は平らで赤みがある | 軽度 |
色素沈着タイプ | シミのように茶色くなる | 軽度 |
クレータータイプ | 肌に凸凹ができる | 軽度~重度 |
ニキビ跡は3種類に分類され、具体的に説明しますと、
ニキビが治った後に、ニキビの炎症によって傷ついた毛細血管により皮膚に赤みが残る状態を赤みタイプ。
ニキビが治った後に、ニキビの炎症により日焼けやシミのように茶色くメラニン色素が残ることを色素沈着タイプ。
ニキビの炎症で毛穴の周りの肌組織が破壊されてしまい、穴として跡が残るのがクレータータイプ。
以上3種類のうち、赤みタイプと色素沈着タイプのような軽度なニキビ跡にはケミカルピーリングはよく効きます。
クレータータイプに関しては凹凸の小さなごく軽度のクレーターであればケミカルピーリングで効果が感じられることもありますが、ダメージが真皮まで及んでいる場合、ケミカルピーリングにより治すことは難しいです。
いずれのニキビ跡にしてもケミカルピーリングで効果を実感するにはクリニックに複数回通う必要があります。
ニキビ跡が治るまでのピーリングの頻度
クリニックで行うケミカルピーリングの場合、2~4週間に1回の通院を5回ほど繰り返すことで効果を実感する方が多いです。
ケミカルピーリングは肌表面の薄い皮膚を剥がし回数を重ねて徐々に肌を整える治療であるため、即効性を期待できるものではなく、1回では大きな効果は感じにくいです。
1回の治療でもくすみが薄くなる、肌のざらつきがなくなる、などの効果を感じる方もいますが、ニキビ跡をしっかり治すには複数回の治療が必要となります。
ただしこちらは一つの目安であり、症状によっても異なるため個人のお肌の状態に合わせて回数やペースなどのスケジュール調整を行うようにしましょう。
毛穴やニキビ跡におすすめのピーリングの種類
いくつか種類があるピーリング。その中でも毛穴やニキビ跡におすすめのものをご紹介します。
ピーリングとは、「皮むき、剥離、むいた皮」という意味を持つ英語の「Peeling」が語源の言葉です。
肌表面の古くて不要な角質を取り除くことでターンオーバーを正常化します。
キメが整い、肌のごわつきやくすみ、毛穴の詰まりなどが改善し、種類によってはニキビ跡や色素沈着も改善できます。
ピーリング剤の種類
- 酸などの薬剤が古い角質や毛穴の汚れなどを取り除くもの
- 酵素が古い角層の剥離を促すもの
- 小さなスクラブの粒子が肌表面をこすり、古い角質や汚れを取り除くもの
クリニックで行うケミカルピーリングなのか、エステサロンのピーリングなのか、市販のピーリングジェルなのかによっても種類や効果は全く異なっています。
毛穴におすすめ|ピーリングジェル
ピーリングジェルとは、剤型がジェルであるピーリング用化粧品です。
ピーリングジェルには基本的に合成ポリマーと呼ばれる、ジェルに粘度を持たせるための成分が配合されているため、その塊が古い角質を絡めとる働きをします。
そのおかげでピーリングジェルを毛穴になじませると、毛穴をきれいに洗浄することができます。
ピーリングジェルを肌の上でなじませていくと、次第に謎の塊がモロモロと現れる、という経験をされた方は多くいらっしゃるはずです。
このモロモロこそが合成ポリマーであり、これらが皮膚上で転がることにより、肌表面の皮脂汚れや古い角質を絡め取るというわけです。
市販のピーリングジェルには、酸が含まれているものもありますが、含まれていたとしても濃度がかなり低くなっています。
酸が含まれていないジェルも多いため、市販のピーリングジェルは大抵合成ポリマーの塊が肌表面の汚れをケアする、という効果がメインです。
これらの理由から肌上の汚れを洗浄することで簡単に毛穴をケアしたい、という方にはピーリングジェルがおすすめです。
ニキビ跡におすすめ|ケミカルピーリング
ケミカルピーリングとはクリニックで行う医療行為です。薬剤を皮膚に塗って、皮膚表面の古い角質を薄く剥がす治療のことです。
グリコール酸
・ケミカルピーリングの中で最も基本的な薬剤
・コラーゲンの生成も促進する
・赤みなどを伴う炎症や肌荒れが伴うこともある
サリチル酸マクロゴール
・角質のみを剥離することができる
・副作用が出にくい
・高濃度での治療を行える
トリクロロ酢酸
・強力な剥離作用がある
・皮膚の深い層をピーリングできる
・コラーゲンの生成も促進する
・かさぶたが残ることがある
乳酸
・マイルドなピーリング剤
・皮膚の浅い部位に作用する
・なるべく肌に負担をかけずにニキビ跡のケアができる
・副作用が出にくい
これら化学物質の作用によりニキビ跡の原因が角質とともに剥がれ落ちるサイクルが整い、肌表面で起こっている軽度なニキビ跡には効果を発揮するのです。
また同様の理由により毛穴の黒ずみや肌のくすみなどにも効果があると言われています。
ニキビ跡は基本的に自宅でのケアは難しいため、クリニックでのケミカルピーリングがおすすめです。
エステサロンでのピーリングはあくまでお肌のメンテナンスであり、肌あれを防ぎ角質層を整えることを主な目的としているためクリニックで受けられる医療行為のケミカルピーリングとは全く異なります。特に異なるのは薬剤の濃度です。クリニックでは高濃度の薬剤を用いることができるためニキビ跡の治療を目的とされる方はクリニックに行きましょう。
ニキビ跡ピーリングについてのQ&A
ニキビ跡へのよくあるご質問についてご紹介します。
自宅でのピーリングでニキビ跡は治る?
自宅でのピーリングではニキビ跡を治すことは難しいです。
市販のピーリングコスメには、クリニックでも使われているような、サリチル酸、グリコール酸などの酸が配合されている製品もありますが、濃度がかなり低く、効果を実感しづらいです。
また、酸が含まれていない製品についても、古い汚れを落とす働きがメインのためニキビ跡に対しては効果を実感しづらいです。
さらには、自力でケアを頑張ろうとあまりに気合を入れてしまうと、ピーリングジェルの過度な使用により摩擦で肌荒れが悪化してしまうことさえあります。
自宅で扱える化粧品は一般的に効果がマイルドなものが多いので、肌のお悩みを治すというのは難しいのです。
肌荒れが悪化した際は使用を続けず、クリニックに相談するようにしましょう。
敏感肌でもピーリングはして大丈夫?
・自宅でのピーリングは控えた方が無難です。
・クリニックで行うケミカルピーリングの場合は、大丈夫な場合があります。
基本的に以下の方々は自宅でのピーリングコスメ使用が向いていないと言われています。
・お肌が極度に乾燥している方
・敏感肌の方
ピーリング化粧品は、古い角質を除去するためのコスメなので、乾燥肌の人が使用するとバリア機能が保持できない可能性があり、敏感肌の方だとさらにデリケートな状態になりかねません。
成分がケミカルピーリングに比べマイルドではあるので、肌がごわついている時だけ使うようにする、という工夫をすることも可能ではあります。
しかし自宅で行うピーリングは、ご自身で製品を選び、肌状態を見極める必要があるため、肌状態の判断が難しくなります。
また、肌上でピーリングジェルを過度に擦り付けた場合、摩擦により逆に肌がボロボロになってしまうことがあるためリスクもありますす。
そのため自己判断での使用は控えた方が無難だと言えます。
ピーリングジェル使用後はただでさえ肌が乾燥しやすいデリケートな状態になりやすいので、使用する場合は必ず保湿もセットで行いましょう
また、ケミカルピーリングに関しては、以下の方々は基本的には治療を受けることができないと言われています。
- アスピリンアレルギーのある方
- お肌に傷のある方
- 妊娠、授乳している、または妊娠の可能性のある方
- 日焼け止めができない環境の方
- ニキビが重度の炎症を起こしている方
- 脂漏性皮膚炎の方
- 皮膚に細菌・真菌感染のある方
- ヘルペスウイルス感染中の方
- お肌が極度に乾燥している方
- 日焼け直後の方
ただしケミカルピーリングはクリニックで受ける必要があるため、医師が個人の肌に合わせて治療を行います。
そのため敏感肌の方でも、程度によっては医師からの許可を得たうえでピーリングを行うことができる場合があります。
成分が自宅でのピーリングに比べて濃く、その分効果も大きいため医師に都度状態を確認してもらい、慎重に治療を進めていく必要があるのです。
さらに、クリニックによっては薬剤の種類の変更や濃度の調整、適切な治療との組み合わせを行ってくれるため、敏感肌の方でケミカルピーリングが気になっている方はぜひ一度クリニックで相談してみてください。
ケミカルピーリングを受けるためには、日ごろからしっかりと保湿することを心がけ、紫外線を浴び肌が日焼けした直後の場合は炎症が治まってから受けるようにしましょう。
まとめ
この記事の結論をまとめます。
・自宅で使えるピーリングでは、ニキビ跡に対し効果は感じにくい
・クリニックで行うケミカルピーリングであれば、軽度のニキビ跡ならば治すことができる
2-4週間に1回の通院を5回程度程繰り返すことで効果を実感する方が多い
・毛穴には自宅でのピーリングがおすすめ
・ニキビ跡にはクリニックで行うケミカルピーリングがおすすめ
自宅で行うピーリングは成分としての酸がかなりマイルド、もしくは酸が含まれておらずニキビ跡への効果は発揮しにくいです。
ただし、汚れを落とす効果はありますので、毛穴をケアしたい方にはおすすめです。
ニキビ跡をしっかり治したい方はクリニックで医師に肌の状態を確認し、適切な薬剤と治療スケジュール、治療法を調整することで、効果的にニキビ跡を治療することができます。
敏感肌の方でもクリニックで相談すれば、ケミカルピーリングを行える場合はあるので、気になる方はぜひカウンセリングに行ってみてください。
今回の記事を、ニキビ跡の治療を検討する際のご参考にしていただけると嬉しいです。