薄毛に悩む女性
なんだか最近髪の毛が減って薄毛になってきたような…?
女性に多い薄毛の悩み、FAGA(女性男性型脱毛症)は進行すると全体的に髪が薄くなるのが特徴です。
この記事では、FAGAの主な原因や、クリニックで行う治療方法などについて解説していきます。
自分に合った治療法を見つけて、美しい髪を取り戻しましょう!
編集部
目次
FAGA(女性男性型脱毛症)とは
薄毛に悩む女性
そもそもFAGAって何?あんまり聞かないなぁ…
FAGA(女性男性型脱毛症)は、女性に多くみられる脱毛症の一種のことで、男性型脱毛症と同じ原因で起こるため、『女性男性型脱毛症』と呼ばれています。
編集部
FAGAは、主に30代以降に発症し、前頭部や頭頂部の髪の毛が薄くなるのが特徴です。
進行すると、頭頂部が広範囲に薄くなり、透けて地肌が見えるようになります。
DHTは、毛髪の成長を抑制する働きがあり、DHTが増加すると髪の毛が細くなり、抜けやすくなります。
FAGA(女性男性型脱毛症)の主な原因
薄毛に悩む女性
FAGAって何が原因なの?
FAGAの原因は大きく分けて次の4つがあります。
- 妊娠や出産によるもの
- 加齢によるもの
- 自律神経や生活習慣の乱れによるもの
- 遺伝によるもの
1つずつ解説していきますね。
編集部
妊娠や出産によるもの
妊娠や出産に起因するFAGAは、女性ホルモンの急激な変化によって起こります。
特に、女性ホルモンの1種である「エストロゲン」には髪の成長期を伸ばす働きがあるとされおり、妊娠中は、エストロゲンレベルが妊娠前の約2倍に増加しますが、出産後はエストロゲンレベルが急激に低下します。
この減少により、髪の成長サイクルが乱れ、抜け毛が増加し薄毛になることがあります。
ただし、ほとんどの場合は、FAGAの症状は出産後6~12ヶ月以内に自然に回復します。
編集部
また、一概にエストロゲンのみが原因とはならず、妊娠や出産における環境の変化や育児のストレスなども原因とされています。
加齢によるもの
FAGAの原因の一つには加齢があります。
歳を重ねるごとに、女性ホルモンが減少し、頭皮が血行不良になることなどが原因で、髪の毛が細くなったり、抜け毛が増えたりするようになります。
加齢によるFAGAは、一般的に40代以降に発症することが多いです。
編集部
初期症状としては、分け目の広がりや、髪の毛のボリュームが減るなどが挙げられます。
また、髪の毛が細くなったり、抜け毛の本数が増えることも特徴です。
自律神経や生活習慣の乱れによるもの
FAGAの原因は、自律神経や生活習慣の乱れもその一つと考えられています。
ストレスや睡眠不足、不規則な食生活などによって自律神経が乱れると、毛髪の成長に悪影響を及ぼし、抜け毛が促進する可能性があります。
また、過度なダイエットや偏食によって栄養不足に陥ると、毛髪に必要な栄養素が不足し、結果的に抜け毛を招くことがあります。
編集部
FAGAを予防するためには、自律神経や生活習慣を整えることが重要となってきます。
具体的には、以下のことを心がけましょう。
- ストレスを溜めないように、適度な運動や趣味の時間を確保し、リラックスできる時間を作る。
- 十分な睡眠時間と質の高い睡眠をとる。
- 栄養バランスの取れた食事を規則正しい時間で摂取し、栄養不足にならないようにする。
- 過度なダイエットや偏食は避け、健康的な食生活を心がける。
これらの生活習慣を少しずつ改善することで、自律神経や生活習慣の乱れによるFAGAの悪化は防ぐことができます。
遺伝によるもの
FAGAの原因は遺伝によるものも要因の1つと考えられています。
遺伝によるFAGAは、母親がFAGAを持っている場合に発症する可能性が高くなります。
遺伝子がFAGAの発症に関与している可能性は、双生児の研究で明らかになっており、一卵性双生児の場合、どちらかがFAGAを発症した場合、もう片方もFAGAを発症する確率は50%以上と言われています。
しかし、FAGAは遺伝的な要素が強くあるものの、生活習慣やストレスなどの環境要因も関与しているとされており、必ずしも遺伝によるものが原因ではないとされています。
編集部
そのため、遺伝によるFAGAのリスクを持っていたとしても、生活習慣を改善することで発症を遅らせたり、進行を緩やかにすることができます。
FAGA(女性男性型脱毛症)の主な症状
薄毛に悩む女性
FAGAは髪の毛が減る以外にどんな症状が出るの?
FAGAが進行すると、以下のような主な症状が見られることがあります。
一緒にチェックをしてみましょう。
- 頭頂部や前頭部の毛が薄くなる
- 髪の毛が細くなる
- 髪の毛のボリュームが減る
- 生え際が後退する
- 分け目が広がる
- 抜け毛の本数が増える
また、FAGAを疑う注意すべき症状や事象としては
- 起床したときに枕元にある髪の毛が増えてきた
- シャンプーをしたときに髪の毛が抜ける量が多くなってきた
- 薄毛の親族がいる など
FAGAは進行性のため、これらの症状が現れたらすぐに専門医を受診しましょう。
早期発見・早期治療をすることで症状を抑えられます。
編集部
クリニックでのFAGA(女性男性型脱毛症)の治療方法
薄毛に悩む女性
クリニックでFAGAを治療するときは、どんな治療方法でするの?
クリニックで行うFAGAの治療方法には、主に以下のものがあります。
- 外用薬
- 内服薬
- 植毛
- 注射
様々な治療法がありますが、その中から自分に合った治療法を選択することが重要です。
クリニックでは、医師の診察の上、最適な治療法を提案してもらえますよ。
編集部
薄毛の悩みをしっかりと医師に相談、共有をしたうえで、効果的に薄毛の治療をしていきましょう。
外用薬
FAGA(女性男性型脱毛症)の治療には、外用薬が用いられることがあります。
外用薬は頭皮に直接塗ることで、脱毛を抑制したり、発毛を促進する効果が期待できます。
現在、FAGA治療に用いられる外用薬には以下のものがあります。
世界で初めてFDAに認可された発毛薬品です。血管を拡張して血流を改善し、毛根に栄養を供給することで発毛を促進します。男性用と女性用とでは、推奨濃度の差があります。
男性の薄毛用のイメージが強いミノキシジルですが、男性だけでなく女性にも効果が認められており、市販薬としても入手可能です。
また、ミノキシジルには内服薬タイプのものもあります。
まれに副作用として、頭皮のかゆみやかぶれなどが起こる場合がありますので、異常を感じたらすぐに使用を中止し、医師に相談するようにしてください。
抜け毛を抑制する有効成分「アルファトラジオール」を配合した外用薬です。DHTの産生を阻害する働きがあり、薄毛の進行を抑える効果があります。
パントスチンも男性・女性ともに使用することができる外用薬です。
副作用として、アルコール成分による頭皮の炎症やかゆみ、発疹などがあります。
内服薬
FAGA治療で使用される内服薬には、以下のようなものがあります。
ドイツの製薬会社によって開発された女性用の薄毛治療薬です。髪の健康を保つ成分「パントテン酸カルシウム」を配合し、頭皮に栄養を届けて毛髪の成長を促進する効果があります。
パントガールの副作用リスクは低いとされていますが、ごくまれに頭痛や腹痛、めまいといった症状が起こる可能性がありますので、これらの症状が確認された場合はクリニックで診察を受けましょう。
馬プラセンタを配合した女性用の薄毛治療サプリメントです。毛母細胞を活性化させ、髪にボリュームを与える効果があるほかに、美肌や疲労回復といった美容面での効果も期待できます。
ルグゼバイブは副作用やリスクが低いとされていますが、馬プラセンタを配合しているため、プラセンタを用いた治療を行っている方は、服用することで効果が増強されるおそれがあります。服用する際は事前にクリニックへ相談してください。
本来は利尿薬として使用されていたスピロノラクトンですが、副作用として抗男性ホルモンの作用がある点に着目されたことにより、男性ホルモンを抑制することで女性の薄毛治療として使用されるようになりました。
スピロノラクトンは副作用として、生理不順や不正出血が生じることがあります。これはスピロノラクトンのホルモン作用によるもののため、ほぼ必須で生じるとされています。
また、本来は利尿薬ですので、利尿作用により尿の量が増え、のどが渇いたり脱水になることがあります。服用の際は普段より多めの水を飲むようにしましょう。
植毛
植毛とは、自分の後頭部など脱毛していない部分の毛根を採取して、薄毛が気になる部分に移植する手術のことです。
自分の毛髪を使用するため、拒絶反応が起こる心配がなく、自然な仕上がりになります。
編集部
植毛は、FAGAの進行を完全に止めることはできませんが、薄毛を目立たなくすることができます。また、自毛を移植するため、見た目が自然で、ウィッグやエクステのように不自然な感じがありません。
植毛には、FUT法とFUE法の2つの方法があります。
後頭部から皮膚を切り取り、そこから毛根を採取する方法。
後頭部から1本ずつ毛根を採取する方法。
どちらの方法も、手術時間は数時間程度です。
植毛は、費用が高額なことや、手術後に頭皮が腫れたり痛みが出たりするなどの副作用があるため、よく検討する必要があります。また、植毛の効果が現れるまでには、数か月から1年程度かかるため、気長に待つ必要があります。
注射
注射による治療には主に2種類があり、メソセラピーとPRP療法があります。
頭皮に直接、発毛を促す薬剤を注射する治療法です。クリニックによって異なりますが、使用する薬剤には、ミノキシジルのほかにも、成長因子やビタミン、アミノ酸などがあります。
これらの薬剤を直接頭皮に注入することで、毛髪の成長を促進し、脱毛を防ぐ効果が期待できます。
患者自身の血液から血小板を抽出し、それを濃縮した血漿(PRP)を頭皮に注射する治療法です。
PRPには、細胞の成長や修復を促す成長因子が多く含まれており、発毛を促進し、薄毛を改善する効果が期待できます。
注射による治療は、比較的短時間で終わるというメリットがあります。
また、内服薬と比べて副作用が少ないことも特徴です。内服薬や外用薬と比べると効果は出やすいですが、それでも時間がかかることと複数回の治療が必要になることが多いです。
注射治療の費用は、クリニックや使用する薬剤によって異なりますが、一般的に1回あたり数万円程度かかります。また、複数回の治療が必要になるため、総額では数十万円から数百万円かかることも珍しくありません。
FAGAの治療は自由診療となるため、健康保険は適用されません。治療を受ける前に、費用について確認しておくことが大切です。
FAGA(女性男性型脱毛症)の原因や治療法まとめ
今回の記事のまとめとしては
- FAGA(女性男性型脱毛症)は、女性に多くみられる脱毛症の一種のこと。
- 妊娠や出産、加齢や自律神経の乱れや遺伝などが原因でFAGAになる。
- 髪の毛のボリュームが減ったり、抜け毛が増えてきたと思ったらFAGAの症状の可能性がある。
また、外用薬や内服薬、注射といった治療法があります。
FAGAは進行を抑えるためにも、普段から髪の毛の状態を常に確認する習慣をつけておき、健康的な生活やストレスを溜め込まないことはもちろんのこと、強いヘアカラーを避けたり、髪を強く引っ張るようなヘアセットをしないなど、頭皮や髪に負担をかけないような工夫をすることが大切です。
髪をいたわることでFAGAを防ぐこともできますが、症状が少しでも気になってきた場合は、まずは専門のクリニックに相談しにいきましょう。
編集部