ニキビ跡が気になるから治療したいけど…保険適用ってできるのかな?
ニキビやニキビ跡を改善したいなら、クリニックで治療を受けるのがおすすめです。
しかし、どの程度の費用がかかるのか、保険適用ができるのか悩んでしまいますよね。
結論からいえば、ニキビの治療は保険適用が可能ですが、ニキビ跡の治療は保険適用外の自由診療となります。
今回は、ニキビやニキビ跡の治療について詳しくお話しします。
編集部
ニキビやニキビ跡治療の保険適用についての詳細やニキビ治療にかかる費用・期間についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ニキビ跡とは?
ニキビ跡とは、ニキビの炎症によって肌がダメージを受け、瘢痕(傷痕)として残ってしまった状態です。
そもそも、ニキビは「毛穴のつまり」「皮脂の過剰分泌」「アクネ菌の増殖」により発生します。
紫外線や生活習慣の乱れなどによってターンオーバーが乱れてしまうと、毛穴周りの角質が厚くなるのです。
毛穴が詰まってしまうと、毛穴内に皮脂が溜まり、皮脂を栄養源として“アクネ菌”が増殖し、ニキビの炎症を引き起こします。
ニキビが炎症を起こした場合には、赤み・色素沈着・クレーターなどのニキビ跡が残ってしまうことがほとんどです。
編集部
ニキビの炎症が重い場合には、皮膚へのダメージも大きくなるので、治りにくいニキビ跡が残ってしまうことも多いでしょう。
ニキビ跡の種類と特徴
ニキビやニキビ跡には、いくつかの種類があります。
あなたのニキビやニキビ跡がどのようなものなのかしっかりと把握しておきましょう。
編集部
ここでは、ニキビとニキビ跡の種類とそれぞれの特徴について詳しくお話しします。
赤ニキビ・白ニキビ・黒ニキビ
ニキビは、大きく分けて「赤ニキビ」「白ニキビ」「黒ニキビ」の3つの種類に分類されます。
進行度でいえば「白ニキビ」→「黒ニキビ」→「赤ニキビ」の順となり、赤ニキビよりも悪化すると「黄ニキビ」という化膿状態となります。
それぞれの状態・特徴を表にまとめたので、参考にしてください。
名称 | 白ニキビ (閉鎖面皰/コメド) | 黒ニキビ (閉鎖面皰/コメド) | 赤ニキビ (紅色丘疹) |
イメージ※ | |||
進行度 | 初期段階 | 酸化段階 | 炎症段階 |
状態 | 毛穴に皮脂がつまっている状態 | 皮脂が空気に触れて酸化し黒ずんでいる状態 | 炎症によって赤みや腫れが生じている状態 |
痛み | なし | なし | あり |
特徴 | 皮膚が少し盛り上がった状態で、見逃してしまうこともある | ニキビ患部の毛穴が開き、酸化して黒っぽく変色している | ニキビ患部の周りが赤く腫れている |
白ニキビと黒ニキビは、腫れや痛みなどの自覚症状もない状態で、状態を改善したい場合には肌のターンオーバーを促すケアがおすすめです。
赤ニキビは、赤く腫れて痛みもあるため、炎症を抑える治療が必要となります。
クレーター・色素沈着・肥厚性瘢痕
ニキビ跡は、大きく分けて「クレーター」「色素沈着」「肥厚性瘢痕(ケロイド)」の3つに分類されます。
色素沈着のニキビ跡のなかには、ニキビ跡の代表的な種類である「赤み」やメラニン色素が原因となる茶色の色素沈着があります。
ニキビ跡それぞれの特徴・原因を表にまとめたので、参考にしてください。
クレーター | 色素沈着 | 肥厚性瘢痕 (ケロイド) | ||
特徴 | 肌表面が一部陥没、凸凹 | 赤紫色〜紫色 | 茶色 | ヤケドの跡に似ている |
原因 | 炎症によって真皮までダメージを受けたが、完治後も肌が完全には修復されていない | ・毛細血管に血液が集中・毛細血管の増加・毛細血管から出血 | メラニン色素の過剰生成・メラニン色素の残留 | コラーゲンの過剰生成 |
編集部
上記のようなニキビ跡がありますが、色素沈着のニキビ跡は、時間はかかりますがターンオーバーによって少しずつ状態を改善することは可能です。
しかし、クレーターは真皮までダメージを与えているため、セルフケアで状態を改善することは難しいでしょう。
ニキビ跡の治療方法
ニキビ跡の治療方法はどんな方法があるの?
ニキビやニキビ跡を治すためには、どのような治療方法があるのでしょうか?
主な治療方法は、以下の2つです。
- コメド圧出による治療
- 内服薬や外服薬による治療
編集部
ここでは、これらのニキビやニキビ跡の治療方法について紹介します。
コメド圧出による治療
コメドは、毛穴に皮脂が溜まった状態で、「面皰(めんぽう)」とも呼ばれています。
このコメドを押し出して取り除く治療がコメド圧出による治療です。
コメド圧出による治療は、ニキビの頂点に穴を開け、ニキビの原因となる毛穴に詰まった皮脂や膿を取り除きます。
アクネ菌は、毛穴に詰まった皮脂や角質を栄養源としているので、その栄養源を取り除くことで、ニキビの進行を抑えることが可能です。
でも「ニキビはつぶしてはいけない」ってよく聞くよね?
編集部
クリニックで行うコメド圧出による治療は、穴も非常に小さく、清潔な滅菌した器具を使用するため、皮膚の傷やダメージが少ないメリットがあります。
そのため、ニキビ跡として残ることが少ないのが嬉しいポイントです。
内服薬や外服薬による治療
ニキビ・ニキビ跡の治療としては、内服薬や外用薬が用いられるケースが多いです。
内服薬とは「経口により用いられる飲み薬」のことで、外用薬とは「皮膚や粘膜に直接塗ったり貼ったりして使う薬」のことを指します。
内服薬と外服薬としては、抗生物質や漢方薬、ビタミン系の内服薬、アクアチムクリームやダラシンゲルなどの抗生物質の外用薬やアダパレンやベピオゲルなどの毛穴の詰まりを解消する外用薬などが主流です。
内服薬や外服薬による治療のポイントとしては、クリニックのドクターの問診にて、しっかりと症状や悩みを伝えること。
また、内服薬や外服薬の説明や使用方法をしっかりと把握することも大切です。
編集部
もし、症状を偽ったり、内服薬や外用薬を間違った使い方をしてしまうと、ニキビの症状が悪化してしまう恐れがあるので、注意しましょう。
ニキビ跡の治療は保険適用できる?
ニキビやニキビ跡の治療で、保険適用できるかどうか不安を感じてしまう人も多いでしょう。
結論からいえば、ニキビの治療では保険適用が可能ですが、ニキビ跡の治療は保険適用外となるのが一般的です。
編集部
ここでは、ニキビやニキビ跡の治療の保険適用について詳しくお話しします。
ニキビの治療は保険適用が可能!
ニキビの治療は、保険適用が可能です。
基本的にニキビの治療は、保険診療の範囲でできることが多いのが特徴で、1回あたり1,000~3,000円程度の費用で治療を受けることができます。
保険適用での治療は、比較的金銭的負担が少ないのが最大のメリットです。
保険適用のニキビ治療は、主に薬を用いた治療で、抗生物質・漢方薬・ビタミン系の内服薬や抗生物質の外用薬、毛穴の詰まりを解消する外用薬などを使用することが多いです。
編集部
また、ニキビの状態によっては、コメド圧出による治療も行うことができるので、安心してください。
しかし、美容皮膚科などで行われる、レーザー治療やダーマペン、ピーリング、アグネスなどのニキビ治療は、保険適用外の自由診療となるので注意が必要です。
ニキビ跡の治療になると自由診療になる
ニキビ“跡”の治療は、保険適用外であり、自由診療となります。
ニキビの治療は、基本的に「疾患の治癒」を目的としているため保険適用が可能ですが、ニキビ跡の治療は「美容目的」と判断されるため保険の適用ができません。
編集部
したがって、ニキビ跡の治療は自由診療で全額自己負担となるため、コスト面での負担が大きくなってしまうでしょう。
ニキビ跡のケアは、時間はかかりますが、日常のケアで改善することも可能です。
しかし、クレーターなどの重度のニキビ跡は、日常のケアで改善することは難しいのが現実…。
自由診療でのニキビ跡治療であれば、通常のケアよりも状態が改善するまでのスピードが早く、効果もアップします。
どのようなニキビ跡かによって、おすすめの治療は異なりますが、赤みや色素沈着はもちろん、クレーターや肥厚性瘢痕(ケロイド)の状態改善も期待できますよ。
そのため、「毎日のケアでも状態が改善しない…」「できるだけ早めにニキビ跡を治したい!」という方は、ニキビ跡治療を検討してみるのがおすすめです。
自由診療の治療オプション
自由診療の治療オプションには以下のような施術メニューがあります。
- フラクショナルレーザー
- ダーマペン
- コラーゲンピール
- エレクトロポレーション
- ニードル治療
- ポテンツァニードル
1つずつ見ていきましょう。
フラクショナルレーザー
フラクショナルレーザーは、レーザーで肌に小さな点状の穴を開けることで、自己治癒力を高めて新しい皮膚の再生を促す治療です。
赤み・凸凹したニキビ跡や毛穴の開き・たるみ、肌のくすみ、小じわなどの改善が期待できます。
ダーマペン
ダーマペンは、髪の毛よりも細い針で肌の表面に小さな穴を開けることで、肌本来の自然治癒力を引き出し、肌のターンオーバーを促す治療です。
ニキビ跡や妊娠線・ストレッチマークなどの傷跡、毛穴の開き・肌の小じわ・くすみ・たるみなどの改善が期待できます。
コラーゲンピール
コラーゲンピール(マッサージピール)は、「PRX-T33」という薬剤を使用したダウンタイムがほとんどないピーリング治療です。
ニキビ・ニキビ痕、毛穴の詰まり、シミやくすみの改善や肌のハリ・弾力・トーンアップなどの効果が期待できます。
エレクトロポレーション
エレクトロポレーションは、肌に特殊な電気パルスを流すことで一時的に小さな空洞をつくり、美容成分を肌の奥まで届ける治療です。
美容成分浸透率がイオン導入の20倍ともいわれており、ニキビ跡やたるみ・しわ改善など肌の悩みに合わせて薬剤を選ぶことができます。
ニードル治療
ニードル治療とは、ニードルによって肌の表面に穴を開けることで創傷治癒効果を促す治療の総称で、ダーマペンやポテンツァもニードル治療のひとつです。
ニードル治療は、ニキビ跡の改善に高い効果が期待できるメリットがあります。
ポテンツァニードル
ポテンツァニードルとは、マイクロニードルとRF(高周波)を使用して、肌本来の自然治癒力を引き出すことができる“ダーマペンの進化版”とも呼ばれる治療です。
ニキビ・ニキビ跡や毛穴の開き・黒ずみ、肝斑・赤ら顔、顔のたるみなどを改善する効果が期待できます。
保険適用と自由診療の違い
保険適用と自由診療の最大の違いは、健康保険の適用の可否です。
保険適用の治療であれば、わたしたちは国内で統一されている医療費の3割を負担するだけなので、金銭的負担を抑えることができます。
一方、自由診療の場合は、各クリニックが定める医療費を全額(10割)負担しなければなりません。
主にけがや病気を治療する疾患の治癒を目的とした治療であれば、保険診療での治療となりますが、「美しさの追及」や「コンプレックスの解消」などの“美容目的”の治療の場合は、保険適用外の自由診療となります。
ニキビ跡治療にかかる費用と時間
ニキビ跡をできるだけ早く治したい!
と考えている方も多いでしょう。
しかし、
莫大な費用がかかったらどうしよう…
と不安を感じることも多いはず。
編集部
ここでは、そんなあなたのためにニキビ跡治療にかかる費用と時間について詳しく紹介します。
ニキビ跡の治療にかかる費用
ニキビ跡の治療にかかる費用は、1回5,000~50,000円程度です。
しかし、治療の内容によって費用は大きく異なることを覚えておきましょう。
ここでは、ニキビ跡治療で人気の「ダーマペン」「コラーゲンピール」「ポテンツァ」の費用相場を紹介します。
治療名 | 費用相場 | ||
1回 | 3回 | 5回 | |
ダーマペン | 15,000〜30,000円程度 | 50,000~70,000円程度 | 80,000~130,000円程度 |
コラーゲン ピール | 10,000~20,000円程度 | 25,000~55,000円程度 | 45,000~90,000円程度 |
ポテンツァ (ニキビ跡・クレーター) | 50,000~100,000円程度 | 135,000~270,000円程度 | 200,000~430,000円程度 |
ニキビ跡治療によって、かかる費用が大きく差がでることがわかりました。
しかし、ニキビ跡の改善効果が高ければ、1回あたりの費用が高額でも、必要となる回数が少なくなるため、総合的なコストは下がります。
あなたのニキビ跡の状態や予算によって、どの治療を受けるか検討しましょう。
ニキビ跡の治療にかかる期間
ニキビ跡の治療にかかる期間は、ニキビ跡の状態によって大きく異なります。
軽度であれば数か月で改善しますが、重度のニキビ跡であれば数年の治療が必要となるケースもあります。
また、治療内容によってもニキビ跡の治療にかかる期間や回数は異なるので、注意が必要です。
「ダーマペン」「コラーゲンピール」「ポテンツァ」治療回数の目安をまとめたので、参考にしてください。
ダーマペン | コラーゲンピール | ポテンツァ | |
治療回数の目安 | 3~6回程度 | 5~10回程度 | 3~5回程度 |
通院間隔 | 4~6週間程度 | 2~4週間程度 | 4〜6週間程度 |
ニキビ跡治療のリスクや副作用
ニキビ跡治療ってどんなリスクや副作用があるんだろう?
と不安や疑問を感じる方も多いでしょう。
リスクや副作用の不安・疑問からニキビ跡を受けるのに戸惑ってしまうケースも少なくありません。
編集部
事前にニキビ跡治療のリスクや副作用を把握して、不安や疑問を解消しましょう。
ニキビ跡治療のリスク
ニキビ跡治療のリスクは、お肌の状態や治療内容によっても異なります。
主なリスクとして挙げられるのが、副作用やダウンタイムがあること。
治療内容によっては、副作用やダウンタイムがほとんどないケースもありますが、多少の副作用やダウンタイムがあるのが一般的です。
ダウンタイムは、平均して数日~10日程度となります。
また、ニキビ跡治療が受けられない・おすすめしないなどニキビ治療に不向きな人もいるので、事前に確認しておきましょう。
- アレルギー体質の人
- 妊娠中・授乳中の人
- てんかん発作の既往歴のある人
- 他の病気の治療中の人
- 皮膚疾患がある人
- 施術前の段階で皮膚がダメージを負っている人など
もし、上記に当てはまっている場合、治療を受けられない可能性があるので、事前にクリニックに相談してください。
ニキビ跡治療の副作用
ニキビ跡の治療の主な副作用は、治療内容によっても異なりますが、どの治療であっても発生する可能性があります。
ニキビ治療の主な副作用として挙げられるのは、以下の症状です。
- 皮むけ
- 肌荒れ
- 赤み
- 乾燥
- 腫れ
- 痒み
- 内出血
- かさぶた
- 水膨れ
- 色素沈着など
これらの症状は、施術直後からダウンタイムの間に起こることがほとんどで、数日~10日程度で改善が見られます。
また、副作用ではありませんが「好転反応」が起こり、ニキビ跡が改善する過程で一時的に症状が悪化するケースもあることを覚えておきましょう。
編集部
ただし、副作用や好転反応の症状が心配な場合や症状がなかなか改善しないときには、クリニックに相談してください。
ニキビ跡は保険適用できるのか?まとめ
ニキビ跡は、ニキビの炎症で肌がダメージを受けたことにより、瘢痕(傷痕)として残ってしまった状態です。
ニキビ跡は改善するまでに長い時間がかかり、またクレーターなどの重度のニキビ跡の場合はセルフケアで改善することは難しいと言わざるを得ません。
そのため、ニキビ跡を早く改善したい・クレーターを治したいという場合には、クリニック治療を受けるのがおすすめです。