仮性包茎とは、包皮が伸びにくく、亀頭が完全に露出しない状態ですが、実際には包皮と亀頭は癒着しておらず、時間とともに伸びていきます。日本人の約6割が仮性包茎で、これは親子での入浴習慣が影響していると考えられています。
仮性包茎は基本的に治療は必要ではありませんが、感染症などを起こしてしまう場合には治療が必要です。
仮性包茎について理解を深め、適切な判断をするための情報をご紹介いたします。
目次
仮性包茎の治療は必要なのか?包茎とは
結論から言うとほとんどのばあい、仮性包茎は治療を必要としません。
ただし、包皮が固く亀頭を露出しづらい場合や、赤などがたまり、感染症を引き起こす場合は治療が必要です。
仮性包茎と別の真性包茎や嵌頓包茎は自力で亀頭を露出させることが非常に難しい状態にあり、自然に治癒する可能性は低いため手術といった治療が必要になります。
各包茎の種類についてくわしく紹介いたします。
仮性包茎とは
仮性包茎とは、男性器の包皮が亀頭を覆っているように見える状態ですが、実際には亀頭を露出させることができる状態のことです。
包皮は亀頭を覆う皮膚のことで、通常は亀頭を露出させることができますが、仮性包茎の場合、包皮が固く、亀頭を露出させにくくなっている状態です。
この状態は、主に包皮が固くなることで起こります。
包皮が固くなる原因には、先天的なものや後天的なものがあります。
先天的な原因には、包皮がもともと固く、亀頭を露出させにくい状態にあることが挙げられます。
後天的な原因には、包皮炎や外傷などがあります。包皮炎は、包皮に炎症が起きることで、包皮が固くなることがあります。外傷は、包皮が何らかの刺激を受けることで、包皮が固くなることがあります。
仮性包茎は、一般的に治療が必要とされる状態ではありません。しかし、包皮が固く亀頭を露出させにくい場合や、包皮炎などの症状がある場合は、治療が必要になることがあるので仮性包茎でお悩みの方は、専門医に相談することをおすすめします。
嵌頓包茎とは
陥頓包茎は、仮性包茎とは異なり、包皮が亀頭に嵌まってしまい、元の位置に戻らなくなってしまった状態を指します。仮性包茎は自然に治ることが多いですが、嵌頓包茎は緊急の処置が必要となります。
嵌頓包茎は、狭い包皮に無理に亀頭を押し込んだり、強い外力が加わることで起こります。
痛みや腫れ、排尿困難などの症状がみられます。放置すると、血流が遮断されて亀頭が壊死する恐れがあるため、速やかに医療機関を受診する必要があります。
嵌頓包茎の治療は、主に手技による整復が行われます。局所麻酔のもと、包皮をゆっくりと元の位置に戻します。整復が困難な場合は、手術が必要になることもあります。
以下は、嵌頓包茎の原因と症状、治療法についてまとめたリストです。
- 狭い包皮に無理に亀頭を押し込んだ
- 強い外力が加わった
- 性行為
- 自慰
- 外傷
- 亀頭の痛みや腫れ
- 包皮の圧迫感
- 排尿困難
- 亀頭の青紫
- 亀頭の壊死
- 手技による整復
- 手術
- 抗生物質の投与
嵌頓包茎は、仮性包茎とは異なり、緊急の処置が必要な状態です。痛みや腫れ、排尿困難などの症状がみられた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
真性包茎とは
真性包茎とは、包皮が亀頭を覆っているだけでなく、包皮の開口部が狭いため亀頭が露出できない状態を指します。真性包茎は先天的なものであり、成長とともに自然に治癒するケースは少ないです。
真性包茎の症状としては、以下のようなものが挙げられます。
- 亀頭を露出させられない
- 排尿時に痛みや違和感がある
- 包皮が腫れたり、赤くなったりする
- 性交時に痛みがある
真性包茎は、放置すると以下のような合併症を引き起こす可能性があります。
- 包茎炎
- 尿道下裂
- 早漏
- 勃起不全
真性包茎は、上記のような合併症を防ぐために、手術によって治療することが一般的です。真性包茎の手術は、日帰りで可能な簡単な手術です。
真性包茎と仮性包茎の違いは以下の表にまとめたので参考にしてみてください。
項目 | 真性包茎 | 仮性包茎 |
包皮の状態 | 亀頭を覆っており、開口部が狭い | 亀頭を覆っているが、開口部は広い |
先天性 | 先天的なもの | 後天的なもの |
自然治癒 | 少ない | 多い |
合併症 | 包茎炎、尿道下裂、早漏、勃起不全 | なし |
治療 | 手術 | なし(様子観察) |
日本人の中での仮性包茎の割合
日本人の男性の約6割が仮性包茎と言われています。
仮性包茎は、幼児期から思春期にかけて自然に治ることがほとんどです。そのため、仮性包茎は治療の必要がないとされています。
日本人における仮性包茎の割合
仮性包茎は、男性の包皮が亀頭を覆っているように見えるものの、実際には伸縮性があり、亀頭を露出させることが可能な状態です。日本人男性の約6割が仮性包茎であると言われています。
仮性包茎の割合が高い理由としては、次のようなことが考えられます。
- 親子での入浴習慣が影響: 日本の伝統的な入浴習慣である親子での入浴は、子どもの包皮を引っ張ることで仮性包茎を引き起こす可能性があるとされています。
- 遺伝的要因: 仮性包茎は遺伝的な要素も関係していると考えられています。
仮性包茎は、通常、治療の必要はありません。しかし、包皮が狭すぎて亀頭を露出させることができない場合や、排尿時に痛みがある場合などは、治療が必要になることもあります。
仮性包茎の治療には、亀頭直下縫合法、亀頭増大手術、長茎手術などがあります。
親子での入浴習慣が影響
親子での入浴が日本人の仮性包茎の割合に影響していると考えられています。
海外では親子の入浴時に親が子供のペニスに皮を剥いてあげるという習慣があるのに比べて日本ではそういった習慣がありません。
そのため日本人は海外の男性と比べて相対的に包茎男性の割合が多いのです。
親子での入浴の際には、子どもの性器のケアに注意することが大切です。特に、3歳以上の男の子の場合、陰茎を触ったり、引っ張ったりする行為を注意深く観察し、必要に応じて、正しい性器のケア方法を教えるようにしましょう。
ここでのポイントを下記にまとめました
- 親子での入浴は、日本人の仮性包茎の割合に影響していると考えられている。
- 親子での入浴の際には、子どもの性器のケアに注意することが大切である。
仮性包茎は人間として正常なのか?
”男”としては多少なりとも気にしてしまう仮性包茎ですが人間として正常かどうかという点では、仮性包茎は異常な状態ではありません。むしろ普通、生後間もない男の子のほとんどが仮性包茎の状態であると言われています。
しかし、中には仮性包茎が原因で性生活に支障をきたしたり、亀頭が露出できないことで清潔を保つことが難しくなったりするケースもあります。このような場合は、治療が必要になる可能性があります。
仮性包茎の治療法には、亀頭直下縫合法、亀頭増大手術、長茎手術などがあります。どの治療法を選択するかは、症状や医師の判断によって異なります。
仮性包茎は、人間として正常な状態ですが、症状によっては治療が必要になることもあります。治療法は症状や医師の判断によって異なりますので、気になる場合は専門医に相談することをおすすめします。
仮性包茎の治療は必要なケース
以下のような場合は、仮性包茎の治療が必要になる場合があります。
- 包皮が狭すぎて亀頭を露出できない、または露出が困難な場合
- 包皮が亀頭と癒着している場合
- 排尿時に痛みや不快感がある場合
- 炎症を起こしやすい場合
仮性包茎の治療には様々な方法があります。
- 亀頭直下縫合法: 包皮を亀頭の直前で縫い縮める方法です。
- 亀頭増大手術: 亀頭を大きくする方法です。
- 長茎手術: 陰茎の長さを伸ばす方法です。
仮性包茎は一般的に治療の必要はありませんが、上記のような症状がある場合は治療の検討が必要です。治療方法は様々あるので、医師に相談して自分に合った治療方法を選択することが重要です。
仮性包茎の治療方法
仮性包茎は、先天的に包皮が長く、亀頭を覆っている状態です。多くの人が思春期に自然に治るため、治療の必要はありません。しかし、どうしても気になる場合や、包茎によるトラブルがある場合は治療を検討する必要があります。
仮性包茎の治療方法には、いくつかの方法があります。
- 亀頭直下縫合法: 亀頭の根元を縫って、包皮の開きを小さくする方法です。
- 亀頭増大手術: 亀頭を大きくする方法です。
- 長茎手術: 茎を長くする方法です。
どの方法が適しているかは、包茎の状態や患者の希望によって異なります。詳しくは、医師に相談してください。
亀頭直下縫合法
亀頭直下縫合法は、包茎治療の一つの外科的方法です。主に真性包茎や、仮性包茎でも用手的治療で改善が見られない場合に選択されることがあります。
手術方法
- 亀頭直下の包皮内板と外板を環状に切開します。
- 露出した亀頭の冠状溝に沿って、包皮内板を縫合します。
- 包皮外板は亀頭の根元に縫合します。
- 余剰な包皮を切除し、形成します。
特徴
- 手術範囲が比較的小さく、術後の回復が早いことが利点です。
- 術後の性感の変化が少ないとされています。
- 術後の傷跡が目立ちにくい位置にあります。
ただし、個人差はありますが、以下のようなデメリットもあります。
- 亀頭部の露出が不十分になる場合があります。
- 再手術が必要になる可能性が他の方法と比べてやや高いです。
- 術後しばらくは亀頭部に多少の違和感を覚えることがあります。
包茎治療は、症状や患者の希望、術式のメリット・デメリットを十分に考慮して、泌尿器科医と相談の上で方法を選択することが大切です。手術の詳細やリスクについては、専門医から詳しい説明を受けることをおすすめします。
亀頭増大手術
仮性包茎の治療にはいくつかの方法がありますが、その中でも亀頭増大手術は、包皮を切除せずに亀頭を大きくする手術です。亀頭増大手術には、いくつかの種類がありますが、ここでは代表的な2つの方法を紹介します。
- 亀頭直下縫合法: 亀頭のすぐ下の皮膚を切開し、そこにシリコン製のプロテーゼを挿入して亀頭を大きくする方法です。
- 亀頭拡張法: 亀頭に専用の器具を装着し、徐々に亀頭を拡張していく方法です。
亀頭増大手術は、包皮を切除する手術と比べて、以下のメリットがあります。
- 包皮を切除しないため、術後の違和感が少ない
- 包皮の感覚を損なわない
- 見た目が自然
しかし、亀頭増大手術には、以下のようなデメリットもあります。
- プロテーゼ挿入には感染症のリスクがある
- 亀頭の感覚が鈍くなることがある
- 料金が比較的高い
亀頭増大手術は、包皮を切除する手術と比べて、侵襲が少なく、術後の違和感が少ないというメリットがありますが、感染症のリスクや料金が高いというデメリットもあります。亀頭増大手術を受けるかどうかは、医師と相談して決めることをおすすめします。
長茎手術
仮性包茎の治療方法として、長茎手術があります。長茎手術は、亀頭を覆っている皮膚を切除して、亀頭の露出を改善する手術です。
長茎手術は、美容的な目的で行われることもありますが、仮性包茎による亀頭の露出不足が原因で、排尿障害や性交困難などの症状がある場合にも行われます。
長茎手術は、局所麻酔で行うことが多く、手術時間は30分から1時間程度です。術後は、傷口が治るまで包帯を巻いておく必要があります。
長茎手術は、比較的安全な手術ですが、まれに感染症や出血などの合併症が起こる可能性があります。また、手術後に亀頭の感覚が低下したり、亀頭の形状が変化したりすることがあります。
長茎手術を受けるかどうかは、個人の判断によるものですが、手術を受ける前に、医師とよく相談することが大切です。
<長茎手術のメリット>
- 亀頭の露出が改善される
- 排尿障害や性交困難などの症状が改善される
- 亀頭の形状が改善される
<長茎手術のデメリット>
- 感染症や出血などの合併症が起こる可能性がある
- 亀頭の感覚が低下したり、亀頭の形状が変化したりすることがある
- 美容的な目的で行う場合、保険適用されないことが多い
まとめ
仮性包茎は、日本人の割合が6割を超えており、その原因は親子での入浴習慣が影響していると考えられています。
仮性包茎は、決して異常な状態ではありませんがケースによっては治療が必要になることがあります。
仮性包茎について悩んでいる場合は、専門医に相談することが大切です。専門医は、適切な治療法を提案してくれるでしょう。